執筆者プロフィール
こんにちは! 株式会社福岡情報ビジネスセンターの高村です。
縁あって2020年12月より当社(以後FBI)の一員に加えていただき、社内のPMOとしての役割を担っております。現在は、社内で進行中の複数のプロジェクトについて、いろいろと支援や監査的なことをやっており、時にはプロジェクトに介入し、時にはPMやプロジェクトメンバーと一緒に悩み、考え、時には厳しく指導し、叱咤激励し、褒めて、おだてて、機嫌をとり、最後は「なんとか頼む」と頭を下げたりしながら、プロジェクトを成功させるべく日々奮闘しています。なぜならば、入社時にたてた私の目標が、“全プロジェクトの成功裏の完了”だからです。言ってしまったものはもう取り消せません。いやはや、やるしかないのであります。また、最近ではプロジェクト管理についての社内勉強会を開催したりもしています。そんなこんなの日々の中で、プロジェクト管理について思ったり、感じたりしたことなどを書いていきたいと思います。プロジェクト管理に興味のある方は、ぜひ読んでいただければと思います。
ではでは、どうぞよろしくお願いいたします。
綿密な計画がとっても大事!!
PMBOK(Project Management Body of Knowledge)第6版では、下記の5つのプロセスと10の知識エリアが定義されています。
5つのプロセス
1. 「立上げ」
2. 「計画」
3. 「実行」
4. 「監視・コントロール」
5. 「終結」
10の知識エリア
1. 「統合マネージメント」
2. 「スコープマネージメント」
3. 「スケジュールマネージメント」
4. 「コストマネージメント」
5. 「品質マネージメント」
6. 「資源(要員)マネージメント」
7. 「コミュニケーションマネージメント」
8. 「リスクマネージメント」
9. 「調達マネージメント」
10. 「ステークホルダーマネージメント」
計画の重要性
プロジェクト管理では、この5つのプロセス全体を通して、10の知識エリアの技術や知識を用いて、プロジェクトをマネージしていきます。もっと簡単にいうと目標を設定し、計画をたてて実行、そして実行しながら実績を収集して計画との差を見て全体をコントロールする(監視・コントロール)ということなのですが、この「計画」というやつがとっても重要だということを最近つくづくと思うのです。
なぜかというと、例えば詳細設計やプログラム開発&単体テストの局面では、実施計画として、対象のプログラムをいつだれが設計するのか、いつだれが開発&単体テストを行うのかといった計画を立てます。ところが、それだけではうまくいきません。
詳細設計では何をやってどういうドキュメントを作るのか、また単体テストはどういうやり方でどこまでやるのか、ツールを使うのか使わないのか、単体テスト用のチェックリストを用意するのかしないのか、またテスト結果のエビデンスの取得方法はどうなのか、そもそもエビデンスを残すのか残さないのか等、作業の内容も細かく計画しなければなりません。そうしないと、担当者ごとにバラバラで、やらなくていいことまでやってスケジュールが遅れコストも余計にかかったり、必要なことをやらずに品質が悪かったりなど、品質・コスト・スケジュールに大きく影響することになります。プロジェクトの規模が大きければ大きいほど影響も大きくなります。
綿密な計画とは
例えば、対象のプログラムが1,000本あったとして、1本あたりにつき20分程度ずつ無駄な作業をやらせてしまったら、20分×1,000本=20,000分=約333時間、つまり約2人月以上の工数(コスト)を無駄にしたことになります。2,000本だと4人月分です。その分利益が減ると考えるとぞっとしますね。このようなことを防ぐためにも、「綿密な計画」をたてることが重要です。また、「綿密な計画」を立てるためには、具体的な作業をイメージして考える必要があるのですが、そうすることで、「ああ、この作業のここはツールを作れば自動化できるぞ」とか、「ここはこうすれば効率化が図れるぞ」などといったアイデアも出やすくなります。それで、効率化や自動化を図ることによって、前述とは逆に1本あたり20分程度の工数を削減できたとすると、プログラム1,000本だと2人月分ものコストが、2,000本だと4人月分ものコストが削減できるということになるわけです。そうなると、すばらしいですね。1週間かけて計画したとしても、2人月分のコストが削減できればおつりが来ますね。ですので、時間をかけてでも「綿密な計画」をたてることが、プロジェクトの成功につながると私は思うのです。なんだか、「きこりのジレンマ」の話に似てますね。
やっぱり、斧は研いだほうがよいということです。(笑)
以上です。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
感謝です!